目標 SpO₂
94 – 98 %
一般の急性疾患
肺炎・心不全・敗血症など
88 – 92 %
CO₂ 貯留リスクあり
COPD・肥満低換気・神経筋疾患
・SpO₂ 90% ≒ PaO₂ 60 mmHg(呼吸不全の境界)/SpO₂ 100% が続くのは「減らせ」のサイン
・蘇生の初期(心停止・重症外傷・ショック)は高濃度で開始し、安定後に目標域へ下げる
・CO₂ 貯留リスクの手がかり=COPD の既往・在宅酸素・血液ガスの HCO₃⁻ 高値
デバイス別 FiO₂ と流量
・鼻カヌラは 1L ごとに FiO₂ 約 +4%、6 L/分が上限
・単純マスクは 5 L/分未満禁止(CO₂ 再呼吸)/リザーバーはバッグが虚脱しない流量を
・患者の吸気流速:安静時 約30 L/分、努力時 60 L/分超 → これを満たせるのが高流量システム
NHF(ネーザルハイフロー)設定
| 機種の方式 | 指定するもの | 指定できないもの |
| A:酸素流量指定 | 総流量+酸素流量 | FiO₂(結果として決まる) |
| B:FiO₂ 指定 | 総流量+FiO₂ | 酸素流量 |
FiO₂ ≒ 0.21 + 0.79 ×(酸素流量 ÷ 総流量)
例)40 L/分・O₂ 10 L/分 → 0.41
総流量だけ 60 に上げると → 0.34(下がる)
| 項目 | 初期設定 | 担当するもの |
| 総流量(男性) | 50 L/分 前後 | 呼吸仕事量・CO₂ 洗い出し PEEP 効果 |
| 総流量(女性) | 40 L/分 前後 |
| 酸素 | 目標 SpO₂ の最小限 | 酸素化 |
| 温度 | 37 / 34 / 31 ℃ | 快適性・加湿 |
・初期流量は病型でなく体格で決める(Ⅰ型・Ⅱ型で分けない)
・Ⅱ型ではむしろ流量を増やす(洗い出しは流量依存、50–60 まで)。上限を決めるのは快適性
・A 方式:総流量を上げたら酸素流量も上げる(忘れると FiO₂ が下がる)
・SpO₂ 不足 → 酸素を増やす/呼吸数・CO₂ が高い → 総流量を上げる(混同しない)
・PEEP 効果は 10 L/分ごと約 0.5–1 cmH₂O、口を閉じて初めて得られる
・カニューレは鼻孔の 50% 程度(密着させない=リークが安全弁)
・Ⅱ型の判定は SpO₂ ではなく血液ガス(pH・PaCO₂)で
換気補助のタイミング
| Ⅰ型呼吸不全 | Ⅱ型呼吸不全 |
| 定義 | PaO₂ < 60 | PaCO₂ > 45 |
| 一手 | 酸素・PEEP NHF / CPAP | 換気補助 BiPAP / 挿管 |
ROX index
(SpO₂/FiO₂) ÷ RR
≥4.88 継続可/<3.85 挿管リスク高
NHF 開始 2・6・12 時間で評価
限界のサイン
RR>30・補助呼吸筋
奇異性呼吸・単語会話
RR低下+意識低下+PaCO₂↑
=呼吸停止の直前
NPPV 初期設定
PS(プレッシャーサポート)= IPAP − EPAP
PS↑(IPAP↑)→ 換気量↑ → PaCO₂ ↓
EPAP↑(=PEEP) → PaO₂ ↑
| 項目 | 初期値 | 備考 |
| EPAP | 4–5 | cmH₂O |
| IPAP | 8–12 → 漸増 | 上限 20–25(胃膨満) |
| PS | 8–15 | IPAP − EPAP |
| バックアップ RR | 12–16 | S/T モード |
| CPAP(肺水腫) | 5 → 8–10 | cmH₂O |
最も良い適応:COPD 増悪(pH<7.35)/心原性肺水腫/免疫不全
慎重に:ARDS・重症肺炎・喘息重積(失敗率が高い)
絶対禁忌:心停止・呼吸停止/気道確保不能/マスク装着不能
判定は 1〜2時間後の血液ガス:pH と PaCO₂ が改善しなければ挿管
人工呼吸器 初期設定
予測体重(PBW)
男性:50 + 0.91 ×(身長cm − 152.4)
女性:45.5 + 0.91 ×(身長cm − 152.4)
| 項目 | 初期値 |
| モード | A/C(VCV) |
| 一回換気量 | 6–8 mL/kg PBW |
| 呼吸回数 | 12–16 /分 |
| PEEP | 5 cmH₂O |
| FiO₂ | 1.0 → 速やかに減量 |
| I:E | 1:2(閉塞性は 1:3–1:4) |
| トリガー | フロー 2 L/分/圧 −2 |
・ARDS・重症肺炎:TV 6 mL/kg 厳守、PEEP は高めから
・COPD・喘息:RR 10–12 と低く、呼気時間を長く(auto-PEEP 予防)
・代謝性アシドーシス:分時換気量を絞ると pH が急落。RR 高めに
・頭蓋内圧亢進:PaCO₂ 35 前後を維持(過換気しすぎない)
肺保護換気の3数値
ΔP(駆動圧)= Pplat − PEEP
コンプライアンス = TV ÷(Pplat − PEEP) 正常 50–100 mL/cmH₂O
permissive hypercapnia:pH ≥ 7.20 なら高 CO₂ を許容
(頭蓋内圧亢進・重篤な肺高血圧では不可)
気道内圧上昇の読み分け
| 所見 | 意味 | 原因 |
Ppeak↑ Pplat 正常 | 気道抵抗↑ | 喀痰・チューブ屈曲/閉塞・気管支攣縮・噛んでいる |
Ppeak↑ Pplat↑ | コンプライアンス↓ | 気胸・肺水腫・無気肺・ARDS 進行・片肺挿管・腹圧上昇 |
アラームが鳴ったら、まず吸気ポーズで Pplat を測る。
PEEP / FiO₂ 対応表(低 PEEP 戦略)
PEEP を上げたら必ず ①酸素化 ②Pplat・ΔP ③血圧 を確認。
血液ガスに基づく設定変更
| 血ガス | 操作 |
| PaCO₂ 高い | RR を上げる(TV は上げない) |
| PaCO₂ 低い | RR を下げる/鎮静・疼痛の評価 |
| PaO₂ 低い | PEEP・FiO₂ を上げる(対応表に沿って) |
| PaO₂ 高い | FiO₂ を先に下げる → 次に PEEP |
CO₂ は「回数」、O₂ は「FiO₂ と PEEP」。変更後 20〜30分で血液ガス再検。
auto-PEEP(内因性PEEP)
| 見つけ方 | フロー波形で呼気が 0 に戻る前に次の吸気/呼気終末ポーズで測定 |
| 害 | 血圧低下・ミストリガー・圧外傷 |
| 対処 | RR を下げる/呼気時間を延ばす(I:E 1:3–1:4)/気管支拡張薬・吸引 ミストリガーには外因性 PEEP を auto-PEEP の 70–80% まで |
人工呼吸中の突然の血圧低下 → まず回路を外して息を吐かせる(10〜20秒)。改善しなければ緊張性気胸を疑う。
ウィーニング・抜管
SBT を試してよい条件
原疾患が改善している
P/F > 150–200 / PEEP ≤ 5–8 / FiO₂ ≤ 0.4–0.5
pH > 7.25
循環安定(昇圧薬なし〜少量)
覚醒し指示に従える・咳嗽ができる
SBT の方法
| PSV 法 | PS 5–8 + PEEP 5 | 最も一般的 |
| CPAP 法 | CPAP 5 | やや厳しい |
| T ピース法 | 酸素のみ | 最も厳しい |
実施時間は 30分で十分(長期挿管例は 120分まで)
SBT 失敗のサイン
RR > 35(5分以上)/SpO₂ < 90%/HR > 140 or 20%以上の変化/sBP > 180 or < 90/不穏・発汗・意識低下/奇異性呼吸・補助呼吸筋
RSBI
RR ÷ TV(L)
<105 で離脱成功を示唆
単独で判断しない
カフリークテスト
リーク<110mL
または <10–15%
陽性=喉頭浮腫リスク
ハイリスク例のみ実施
・抜管後ハイリスク(65歳以上・心疾患・COPD・高CO₂・挿管>7日・咳嗽弱い)→ 予防的に NHF / NPPV
・抜管後喘鳴:アドレナリン吸入+全身ステロイド。改善なければ躊躇せず再挿管
関連ページ
トラブルシューティング一覧
アラーム・SpO₂低下・非同調・血圧低下の対処
血液ガス判読チートシート
代償式・AG・Δ比・A-aDO₂・P/F 比
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