初期研修医向け 酸素療法・人工呼吸器講義
酸素療法・
人工呼吸器ノート
血液ガスが読めた、その次へ。酸素をどう投与し、呼吸器をどう設定するかの。
76歳男性。COPD で在宅酸素(鼻カヌラ 1L/分)使用中。3日前から喀痰増加と呼吸困難が増悪し救急搬送。来院時 SpO₂ 82%、呼吸数 28回/分、意識清明。「まず酸素をしっかり」とリザーバーマスク 10L/分を開始したところ SpO₂ は 99% まで上昇した。
1時間後、呼びかけに反応が鈍くなった。
| 項目 | 1時間後の値 | 基準値 |
| pH | 7.18 ↓↓ | 7.35–7.45 |
| PaCO₂ | 92 mmHg ↑↑ | 35–45 |
| HCO₃⁻ | 34 mEq/L ↑ | 22–26 |
| PaO₂ | 148 mmHg ↑ | 80–100 |
| SpO₂ | 99 % | — |
❌ よくある間違い
SpO₂ 82% は危険 →「とにかく高濃度酸素を」→ SpO₂ 99% になったのでひとまず安心。モニターの数字だけを見て、意識レベルの低下を「疲れているだけ」と解釈…
→ これは酸素投与そのものが引き起こした悪化です。
⚡ CO₂ナルコーシス(急性増悪した慢性Ⅱ型呼吸不全)
⚡ 慢性CO₂貯留例の目標は SpO₂ 88〜92%。99% は投与しすぎのサイン
HCO₃⁻ 34 の時点で、もともと CO₂ を溜めている人だと読めた。SpO₂ だけでは Ⅱ型呼吸不全は見抜けない。
酸素は薬です。量にも目標にも根拠があります。
第1章から順に学んでいきましょう。
第1章へ →
学習進捗
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第1章から始めましょう
第1部 ・ 酸素療法
1
酸素療法の基礎酸素運搬・解離曲線・目標SpO₂・高濃度酸素の害
2
酸素投与デバイスの選び方カヌラ・マスク・ベンチュリー・リザーバー・NHF
3
換気補助のタイミングⅠ型/Ⅱ型・呼吸仕事量・ROX index・挿管の適応
第2部 ・ 陽圧換気とハイフローセラピー
4
ネーザルハイフロー(NHF)4つの効果・流量とFiO₂と温度・Ⅱ型呼吸不全・在宅
5
NPPV の基礎CPAP と BiPAP・適応と禁忌・初期設定・再評価
6
人工呼吸器モードの基礎トリガー・リミット・サイクル/VCV と PCV/初期設定
7
設定パラメータと肺保護換気プラトー圧・駆動圧・PEEP・auto-PEEP・血ガスでの調整
第3部 ・ 離脱
8
ウィーニングと抜管離脱の前提条件・SBT・RSBI・カフリーク・抜管後管理
まとめ
まとめ早見表(チートシート)デバイス別FiO₂・初期設定・肺保護の数値を1ページに
トラブルシューティング一覧アラーム・SpO₂低下・非同調・血圧低下の当直リファレンス
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ツール
血液ガス判読ツール数値を入力すると自動で判読・代償計算・P/F比
計算ツール
人工呼吸器設定トレーニング症例クイズ全9問で初期設定・肺保護・血ガス対応を確認
クイズ
関連サイト
MedCalc Tools — medcalcs.app救急・糖尿病・整形など医療計算ツール
このサイトについて
血液ガスを読めるようになると、次に必ず突き当たるのが「では実際どうするか」です。酸素をどれだけ流すのか、NPPV を使うのか挿管するのか、呼吸器の設定をどう決めて、どう外していくのか。このシリーズは血液ガス判読ノートの続編として、その判断の流れを7章で扱います。
各章は概ね10〜20分で読み終わります。読了ボタンを押すと進捗が保存され、次回の続きがすぐわかります。データはすべてこの端末のみに保存され、外部には送信されません。
免責事項:本コンテンツは医療従事者の学習・参考を目的としたものであり、医療機器ではありません。記載の数値・設定はあくまで一般的な目安であり、実際の診療は各施設のプロトコルと患者の病態に従ってください。診断・治療の最終判断は必ず担当医師が行ってください。
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