偽性を除外する/心電図で緊急度を決める/3本柱の初期対応/原因を潰す。
治療の前に、検体の問題を除外します。慌てて治療して低 K にしてしまうことを防ぐためです。
| 偽性高 K の原因 | ヒント |
|---|---|
| 溶血(採血手技・細い針・強い陰圧) | 検査室から「溶血あり」のコメント。最も多い |
| 駆血帯を長く巻いた・手を握らせた | 前腕の筋収縮で K が漏出する |
| 著明な血小板増多・白血球増多 | 血算を確認。血清ではなく血漿で測ると正常 |
| 採血後の放置・冷却 | 提出までの時間 |
目的が違う3つを、同時並行で進めます。順番に「効くのを待つ」のではありません。
| 手段 | 用量の目安 | 効果発現/持続 |
|---|---|---|
| GI 療法 (速効型インスリン+ブドウ糖) | 速効型インスリン 10 単位 + 50% ブドウ糖 50 mL | 15〜30 分/4〜6 時間 最も確実 |
| β2 刺激薬吸入 | サルブタモール ネブライザー (通常量より多め) | 30 分/2〜4 時間 GI と併用で相加的 |
| 重炭酸ナトリウム | — | 代謝性アシドーシスがある場合に限る。単独での K 低下効果は限定的 |
急性期を乗り切ったら、必ず原因に戻ります。高 K は複数の要因が重なって起こることが多いためです。
| カテゴリ | 代表例 |
|---|---|
| 腎排泄の低下 | 急性腎障害・慢性腎臓病(最も重要な背景)、副腎不全、4型 RTA |
| 薬剤 当直で必ず確認 | ACE 阻害薬・ARB、スピロノラクトン等の K 保持性利尿薬、NSAIDs、ST 合剤、ヘパリン、β遮断薬、タクロリムス/シクロスポリン、ジゴキシン中毒 |
| 細胞外へのシフト | アシドーシス、インスリン欠乏(DKA)、β遮断薬、高浸透圧、ジギタリス中毒 |
| 細胞の崩壊 | 横紋筋融解症、腫瘍崩壊症候群、広範な熱傷・外傷、消化管出血、大量輸血(古い血液) |
| K の負荷 | K 製剤・輸液への添加、K 含有量の多い食品・塩代替品(減塩塩)、輸血 |